東洋医学
東洋医学は、人を自然のなかのひとつの存在としてとらえ、人は自然界のすべてのものとつながり影響し合っていると考えます。また自然を大宇宙、人体を小宇宙とみなし、自然との共生を重視する医学です。
東洋医学では、心と体は一体であると考えます。この心身一如の生体観をもとに、健康状態や病気の状態を把握し、診断、治療につなげていくのです。
多くの疾病は生体の自然治癒力の低下から起こります。東洋医学の治療では、西洋医学のように直接病気の原因を排除するのではなく、人体が本来持っている自然治癒力を賦活して状態を改善していきますので、人に優しい医学といえます。また普段から自然治癒力を高めることで、「未病(まだ病気ではないが、病気に向かっている状態)」を治して健康を維持増進する予防医学でもあるのです。
陰陽論
陰陽論は、全宇宙に存在するすべての物質や現象を陰と陽に分けて把握する考え方です。私たちは日常の会話でも「陽気な性格」や「陰気な人」など、普段から何気なく使っています。陽は活動的で熱性なものをいい、一方、陰は非活動的で寒性のものをいいます。例えば、太陽は陽で月は陰、夏は陽で冬は陰、動物は陽で植物は陰と分けられます。
また、陰陽は絶対的なものではなく状況や条件によって変化します。陽の中にも陰があり、陰の中にも陽がありという考え方で、人間は動物という事では陽ですが、その中でも髪の毛や歯は静かな性質を持つので、人体中では陰になります。
東洋医学は、このような陰陽の考え方をもとに人間の体質や病気を自然の一部としてとらえているのです。
体質の診断をしてみましょう。あなたは陽性の体質?それとも陰性の体質?参考程度に、お楽しみください。
| A | B | |
|---|---|---|
| Q1 | 暑がりで首から上に汗をかきやすい | 寒がりであまり汗をかかない |
| Q2 | 平熱が高体温(36.7度以上) | 平熱が低体温(36.2度以下) |
| Q3 | 筋肉質。がっちり体型 | 痩せ型、または筋肉がなくぽっちゃり |
| Q4 | 体力があり元気 | 疲れやすく、腰がだるい |
| Q5 | 血色が良く赤ら顔 | 青白い |
| Q6 | 肌の張りがありツヤがある | 張りがなく乾燥気味 |
| Q7 | 話し声が大きい | 話し声が小さい |
| Q8 | よく食べる、水分をよく摂る | 食欲普通、または小食、水分あまり摂らない |
| Q9 | 冷たいものが好き | 暖かいものが好き |
| Q10 | 便は硬く便秘気味 | 便は普通、または柔らかめ |
Aが多い方は陽のタイプ、Bの多い方は陰のタイプです。(あくまでも目安であって例外もあります)
◆陽タイプの方には・・・肌荒れや吹き出物などの肌トラブル、胃もたれや便秘、不眠などの症状がみられます。
LIFESTYLE POINT!
規則正しい生活を心がけて、適度な運動と良質な睡眠をとるようにしましょう。
胃腸に負担をかけて消化・吸収の働きを低下させる、刺激のある辛い物や脂っこいもの、生ものの取りすぎに注意をして、さつまいもやかぼちゃなどのいも類、豚肉を取り入れてバランスのよい食事を取りましょう。
食事の時間も寝る直前や深夜にならないよう注意をしましょう。
香りのよいハーブティーやほうじ茶、玄米茶もおすすめです。
◆陰タイプの方には・・・
手足や腰の冷え、下痢、むくみ、頭痛やのぼせなどの症状がみられます。
LIFESTYLE POINT!
夜更かしを避けて、血行の循環を良くすることが大切です。
冷たい飲み物や生野菜など胃腸を冷やすものは控えて、ひじきや豆、ねぎやしょうがなどの体を温めて血液をサラサラにする食材を取り入れましょう。
ウォーキングやゆっくりと体を動かすヨガやピラティスなど、全身の代謝を上げる適度なエクササイズを取り入れることをおすすめします。
気・血・水

人間の身体は気(き)、血(けつ)、水(すい)の3つの要素が体内をスムーズに循環することで維持されていると考えられています。
気(き)は、見えない生命エネルギーのことです。元気の気、気合の気、気力の気、と言う様に、生き物の精神活動と機能活動を気といいます。
血(けつ)は、主に血液のことを指し、全身をめぐり様々な組織に栄養を与えます。
水(すい)は、水分や汗や皮脂など、血液以外の体液全般に相当し、水分代謝や免疫システムなどに関わっているものとされています。
この3要素のバランスが重要で、不足したり、滞ったり、過剰になったりすると、身体の中のめぐりが悪くなり、不調や病気がおきてくると考えられています。鍼灸師はこうした不調を探り、その問題を解決するツボを鍼やお灸を用いて刺激して改善させていきます。
五臓六腑(ごぞうろっぷ)
東洋医学でいう内臓全体のことです。
五臓は、「肝」「心」「脾」「肺」「腎」
六腑は、「胆」「小腸」「胃」「大腸」「膀胱」「三焦」
西洋医学の臓器と近いものがありますが、より広い概念を持ちます。
西洋医学では内臓を解剖学的に分類しますが、東洋医学の五臓六腑は、器官の役割とともに、精神活動との関わりも臓器の一部として考えています。
| 肝 | 血を貯蔵、気血の流れを調える。筋肉や目、感情面では怒りと関係している。 |
| 心 | 神(意識や精神活動)を貯蔵。舌と関係があり、血液循環と精神活動をつかさどる。 |
| 脾 | 血気を生成する、肉づき状態や口と関係し、栄養をつかさどる。 |
| 肺 | 気と血を生成する、皮膚、呼吸活動をつかさどる。 |
| 腎 | 精を貯蔵する、耳、骨、歯の機能を維持し、成長・発育・生殖をつかさどるため、老化現象全般と関係している。 |
経絡(けいらく)
気の流れる主な通り道です。気の流れにそって14本の線に分かれ内臓と体表面をつなぐルートで、内臓の異常が表面の通り道(経絡)とそこに点在するツボに現れるといわれています。
ツボ
経絡上にある体の異常を示す反応点であり治療点でもあります。ツボは、生命力や血流、自律神経、ホルモン、脳を深く関係していると考えられています。
ツボは実に三千年の歴史を持ち、長い歴史の上で経験的に見つけられ、特別に治療効果のあるポイントが約700あり、WHO(世界保健機構)では14経絡361ツボを効果のあるポイントとし承認しています。